夜通し猫が鳴き続けて困ること、ありますよね。
猫が夜鳴きする理由はたくさんあります。
- 発情期
- 不安、ストレス
- 要求(食事、トイレなど)
- 体調不良(高血圧、ケガ、病気など)
- 老猫の認知症 など
今回はこの中でもあまり知られていない猫の認知症(認知機能障害)について紹介します。
まいたけ
おうちの猫が認知症かどうかは、かかりつけの動物病院に相談してくださいね。
猫の認知症の症状
猫が認知症(認知機能障害)になる一番の要因は加齢による脳細胞数の減少と言われています。
認知症になると下記のような症状がよく見られます。
- トイレの失敗、粗相
- 飼主や同居猫に対して攻撃的になる
- 過剰な鳴き声、夜鳴き、興奮
- 落ち着きがない、徘徊
- 過食もしくは食欲不振
- 過剰な毛づくろい
- 物音を怖がる、おびえる
- 飼主や同居猫に関心がなくなる など
11歳以上で健康な猫154頭を調査したところ、11-15歳の猫の28%、15歳以上の猫の50%で認知症の兆候が認められたという報告もあります。
犬と比べると猫は比較的若いうちから認知症の症状が見られることがあり、5歳頃から発症が見られるという説もあります。
猫の認知症の治療
猫の認知症を根本的に治療する方法が存在しないため、薬剤の内服やサプリメントの使用で症状の緩和に努めます。
薬物療法
抗うつ薬、抗不安薬を与える場合があります。
フェロモン製剤
安心感を与えストレスを軽減するために猫のフェロモン製剤を部屋に設置する場合があります。
サプリメント
加水分解ミルクプロテイン(カゼイン)、L-トリプトファンのサプリメントでストレスを緩和する方法があります。
猫の認知症予防
人間と同様に猫の認知症も予防が大切です。
ストレスを減らす
ストレスによって体内で活性酸素が増え、脳内に酸化物質が蓄積し認知症を進行させると考えられています。
トイレの環境、遊びや運動は十分か、同居猫と折り合いが悪くないかなど、環境を見直します。
脳への刺激
話しかけたり遊んだりなでたり、心と体を適度に動かすようにします。
毎日が同じことの繰り返しになると人間も猫も早く年老いてしまいます。
食事
食事ではオメガ3脂肪酸、抗酸化成分(ビタミンE,ビタミンC、フラボノイド、ポリフェノールなど)が豊富な食事が勧められます。
オメガ3脂肪酸
脳細胞を作る材料になったり末梢の血流を改善するため認知症予防に役立つと言われています。
魚油などに多く含まれます。
抗酸化成分
ビタミンE,ビタミンC、フラボノイド、ポリフェノールなどの抗酸化成分は脳細胞を酸化のダメージから守るのに役立ちます。
緑黄色野菜や果物に豊富に含まれます。
まいたけ
現在ではシニア用の総合栄養食でも認知症に配慮された製品が販売されています。
猫が認知症になるとケガや事故がないよう家庭での過ごし方にも配慮が必要になります。
早期に発見された場合は環境面や食事の見直しで症状の緩和が見られる可能性もあります。
また認知症のように思われる症状の中には膀胱炎や高血圧、関節炎など治療が必要な疾患も含まれますので、気になる症状があれば早めにかかりつけの動物病院に相談されることをお勧めします。