地震や水害はいつどこで起こってもおかしくありません。
もしもの時に、ご自宅の猫ちゃんのための防災グッズは準備されていますか?
防災グッズというと、非常に持ち出す防災バッグ(非常持ち出し袋)を思い浮かべるかもしれません。
実際の災害時には、被災地ではいろいろな避難生活のパターンが考えられます。
防災バッグを持って避難所に猫と避難することもあれば、自宅で猫と避難生活を送ることや猫は自宅で待機し飼い主様は避難所で生活することもあります。
あらゆる場面で必要と思われるものを優先順位の高い順に紹介します。
優先順位①生活必需品
キャットフード
災害時は環境の変化で猫も体調を崩しがちです。
いつも食べているフードを準備してあげてください。
ドライフード
- 軽くて持ち運びしやすい。
- 開封後も常温保存ができるので災害時にも扱いやすい。
- 水分含有量が10%程度と少ない。
- 十分に飲み水を与える必要あり。
ウェットフード
- 水分含有量が75%程度と高い。
- 水が貴重な災害時の水分補給に最適。
- 嗜好性も高い。
- 開封後は常温保存ができない。
- 停電で冷蔵庫が使えない場合は保存できない。
- 1回で食べきれるサイズのものを選ぶ必要がある。
5日分ほど防災バッグに入れておくことを勧めていますが、防災バッグの容量に余裕があれば少し増やしてください。
災害の程度によっては2週間以上救援物質が届かないこともあります。
療法食を与えている場合は、かかりつけの病院ですぐに手に入らない場合もあるので、1か月分以上ストックしておくと安心です。
猫用おやつ
環境が変わったストレスで食欲がなくなることがあります。
猫は絶食にとても弱く、特に肥満の猫の場合は1日以上の絶食で肝疾患(肝リピドーシス)を起こすことがあります。
猫が大好きなおやつも忘れずに防災バッグに。
飲み水
例えば、体重4㎏の猫であれば1日に250ml程度の水を必要とします。
猫の場合、水を食器に入れて与えるので汚れたりひっくり返してしまうことも考えて、500mlのペットボトルを3,4本用意します。
準備するペットボトルの水は軟水を選んでください。
硬水の中にはマグネシウムの含有量が高く、尿石症の心配がある猫には不向きなものもあります。
猫用食器
軽いプラスチック製のものやポータブルの水入れがあると便利です。
断水など水を十分に使えない環境では食器にラップを敷いてからフードを入れ、食べ終わったらラップごと捨てるようにすると食器を洗う回数を減らすことができます。
薬
予防薬、常備薬、持病の薬も忘れずに持ち出しましょう。
薬を飲ませるために必要なペースト、スポイトなども忘れずに。
いざという時にすぐ薬品名がわかるように、日頃から与えている薬の写真を撮ってスマホ等に残しておくことをお勧めします。
ポータブルトイレ
折り畳み式のポータブルトイレ、ペットシーツも防災バッグの中に入っていると重宝します。
トイレ砂は紙製のものが軽くて運びやすいです。
もしもトイレを持ち出せなかった場合は、浅めの段ボール箱(猫のトイレと同じくらいの高さ)をビニール袋で覆い、新聞紙を細かくちぎったものをトイレ砂代わりに入れてトイレの代用品とすることもできます。
キャリーバッグ
災害時に扱いやすいのは、クレート型、リュック型、ショルダー型です。
クレート型
- 布製と違って頑丈で汚れても洗いやすい。
- 上部で開閉するタイプが猫を入れやすい。
- 猫の一時的な待機所にもなる。
- やや持ちづらい。
- 肩掛け用のベルトを付けられるものがお勧め。
リュック型
- 楽に背負え、両手も自由になる。
- 製品によっては拡張させてサークル代わりに使えるものもある。
- 猫の様子を確認しづらい。
ショルダー型
- 猫と人が密着するので安心感がある。
- 布製が多いので汚れると洗って乾かすのに時間がかかる。
- 猫がパニックになり逃げようとする場合はバッグの耐久性に注意。
カート型
- 多頭飼育の場合、一度にまとめて避難するのに便利。
- 災害で道路が割れたり、倒壊したものが散乱している場合は使えないことがある。
優先順位②いざという時に役に立つもの
猫の健康手帳
猫を一時的に猫を預けることになった場合、ワクチン証明書が必要になる場合があります。
下記の情報と合わせてまとめておきましょう。
- ワクチン接種歴
- 病歴・投薬状況
- 飼い主の連絡先
- かかりつけの動物病院の情報と診察券
- 嫌がること・好きなこと
猫の写真
災害で迷子になってしまった猫を探す時に必ず必要になるのが写真です。
スマホに保存している方が多いと思いますが、停電でスマホの充電が切れてしまうこともあります。
スマホ以外にプリントしたものも準備しましょう。
猫の顔だけでなく、全身、右横から、左横から、背中から、お腹から、後ろ姿というようにいろんな角度で撮っておきます。
また、保護された猫を引き取る際に自分の猫であることを示せるように、猫と一緒に写っている写真も撮ってあげてください。
【猫の写真撮影はいろんな角度から】
かわいい顔を狙いがちですが、顔、全身、右横から左横から、上から下から、後ろ姿、あらゆる角度から撮りましょう。
万が一、迷子になってしまった時、特徴が分かりやすいチラシを作るのに役立ちます。常にアップデートを。#獣医師がゆるやかに解説する豆知識 pic.twitter.com/4jj7t45LZX
— まいたけ🍄 (@maitake_vet) October 25, 2020
優先順位③落ち着いたら持ち出すもの
ケージ
避難所に同行避難または同伴避難ができる場合、猫用のケージが必要になります。
清潔にしやすく丈夫な金属製のものがお勧めです。
また、猫がケージに慣れられるように日頃から室内にケージを設置しておく方法があります。
子猫のうちから夜や外出時などに数時間ケージで過ごす練習をしたり、ケージの中でおやつやフードを食べさせたりしてケージの中は安全であることを教えてあげましょう。
まとめ
ご自身と猫の防災バッグの中身は年に一度は中身をチェックをしてください。
賞味期限が切れたものや古くなったものがあれば交換しましょう。
猫の防災については下記の記事にも詳細が載っています。